2014年11月30日日曜日

<課外活動>30歳の生徒会②



選挙に出ることに決めた私だったが、困ったことにプレゼンテーション会がボストンキャリアフォーラムに出発する前夜に予定されていることがわかった。投票期間はプレゼンテーション会直後からボストンから帰る翌日までだった為、私は実質的に学校にいないことになる。少しでも学校に顔を出して自身を売り込みたいのにそれができず 、知名度勝負に於いては非常に不利だ。かと言って私費留学の私にとって数少ない就活の場であるボストンキャリアフォーラムを欠席する訳にはいかない。仕方が無いので、コテコテの日本企業実務経験者ならではの緻密な調査と、それを元にした徹底的なプラットフォームとプレゼンテーションを以ってインパクトを残し、後はそれを見た人から口コミが広がることに期待するということにした。

 プラットフォーム・プレゼンテーションの締め切りまでは、ボストンキャリアフォーラム(ならびにフォーラム翌日に予定されていたファイナンスの中間テスト…_||)の準備はそっちのけで、ひたすら選挙準備に充てた。立候補するポジションがInternational Student Chairであることから、留学生を中心に50名以上の学生から話を聞いて留学生周りの問題点を炙り出し、改善策を考えた上でさらに学校の関係者達と話して実現可能性を検証して公約とした。また、知名度で劣ることを恐れたので、プラットフォームには学校の人気者達に依頼して、推薦者として名前と顔写真を掲載させてもらった。加え、プレゼンテーションはとにかく印象に残るものを作ることを考え、これまでの営業の実務経験で培った広告とパワーポイントのテクニックを駆使して自画自賛できるレベルの物を作成し、わずか2分間の制限時間の中でそれを伝え切ることができるよう練習を重ねた。

ありがたいもので、立候補することを周りに公言してからと言うもの、次々と協力してくれる人達が現れた。例えば公約について日本人同期達が多々意見を寄せてくれたり、プラットフォームに書いた稚拙な英文をコアチームの仲間が添削してくれたり、クラスメートが周囲に私が立候補していることを伝えて周ってくれたり、ロンドンに駐在しているアドミッションスタッフの人がSkypeで意見を聴かせてくれたり…と枚挙に暇がない。中には「ある人からこんなことを聞いたのだがどう思うか」と留学生の苦労に関する意見を聞いたところ、「そんなことが起きているなんて知らなかった」と目を潤ませながら感想や意見を何十分にも渡って教えてくれるような人もいた。このような協力的な空気こそが我々の学校の素晴らしいところであり、もし選ばれたら機会をフルに活用して改めてこのコミュニティに貢献したいと思った次第だ。


結局、プレゼンテーションは会心の出来に終わり、何と全プレゼンテーションの中で唯一、拍手まで巻き起こった。そしてプラットフォームが学生へ送付されて投票が始まってからは、多くの人々から「I saw it!」「I voted for you!!」等の反響を頂くことができた。

ボストン滞在中はさすがに就活に一杯一杯でStudent Council選挙について考える余裕は無かったが、イサカへ戻って間もなく電話で当選の連絡をもらうことができた。高校で逃げ出してから実に14年の時を経て、30歳にしてようやく生徒会入りを実現するに至った。受験時代はまさかこんなことになるとは思ってもみなかったが、これも1学年280人しかいない規模の小ささと協調的な雰囲気の賜物だと思う。さすがに1000人規模のマンモス校ではそもそも立候補しようという気にもならなかっただろう。



さて、現メンバーからの引き継ぎはまだであるものの、早速新メンバーでのディナーやミーティング等は始まっている。他のメンバーはやはり予想していた通りイケてる人間だらけで、こんなリア充集団に付いていけるのかビビりまくりというのが現実なのだが、何とかこれを「居場所」にすべくうまく馴染みつつ、大好きなこのコミュニティに貢献していきたいものである。

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