2014年10月29日水曜日

<受験5>MBA受験とは




MBA入試とは、一言で言うと「まぐれ合格を出さない」ことを目的とした試験だと思っている。入試は大きく次の要素から構成される。

   TOEFL リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの力が問われる英語力測定テスト。各分野30点の合計120点満点で、トップ校では100点が足切りライン、105点以上が望ましいとされる。

   GMAT…論理的思考力が測られるテスト。Verbal(英語)とQuantitative(数学)・Integrated Reasoning(統合問題)・AWA(小論文)の4分野から成るが、学校は主にVerbalQuantitativeを見る。VerbalQuantitativeは合わせて点数化され、800点満点中、トップ校
合格には700点以上が望ましいとされる。

   出願書類…学部時代の成績や家族構成・職歴・給与等、各種個人情報を細かに記入しなければならない。

   レジュメ…履歴書。1ページに職歴や学歴を凝縮する。

   エッセイ…小論文。志望理由やキャリアゴールを始め、考え方や価値観が問われる。なぜその学校でMBAを取得しなければならないのかを、説得力を以って書かなければならない。MBA受験で最も重たい要素の一つ。問題数は学校によって15問程度とバラツキがある。

   推薦状…周囲の人(基本的に上司)に映る姿が測られる。多くの学校では2通を求めるが、中には3通求める学校もある。もちろん英文で提出してもらう必要があるので、推薦者が英語が堪能でない限りは翻訳手段等も考慮の上、依頼する必要がある。また、私費留学の場合はもちろん上司に退職の旨を伝えなければならないだろう。私費留学生には頭の痛いところ。

   インタビュー…英語でのコミュニケーション能力が問われる。書類選考を通過した場合のみというケースが多い。アドミッションスタッフと直接、卒業生/在校生と直接、アドミッションとSkypeの主に3種類がある。

見ての通り、カバーする範囲が非常に広い。MBA試験は日本の大学の学力一発入試とも、演技力がモノを言う企業の採用面接とも違う。学力・過去の成績・語学力・仕事経験・コミュニケーション能力・海外経験・リーダーシップ・協調性等、ありとあらゆる観点から受験者を丸裸にすることで、その学校に真に相応しい者だけを選ぶのである。

出願は一校あたり年に一度しかできないが、大体各校1年に34回程締切がある。いずれかの締切までに各種スコアや書類を揃えて出願すれば良いという仕組みである。この点に於いても、年に一回決まった日に一発勝負がある日本の受験とは違う。なお、TOEFL1年に20数回 GMAT5回受けることができる為、望ましいスコアが出るまで、何回も受けることとなる。ただし、スコアが出るまで悠長に待っている訳にもいかない。と言うのも、学校は全応募を受領してから選考する訳ではなく、応募があった順に選考していく為、年度のなるべく早い締切で出願した方が、「空席」が多くあることになり、合格可能性が高まるからである。従って、ほとんどの学校が、なるべく早く出願することを推奨している。

日本の受験生はどうしても中学・高校・大学と、大体学力一発受験を経験してきている為、TOEFLGMATという学力テストを重視する傾向がある。ところがそれは大きな間違いであり、TOEFLGMATは広範囲に渡る選考のあくまで一部でしかない。その他の要素も大きく合否を左右する為、入念に取り組む必要がある。特にエッセイはMBA受験に於いては非常に重視されており、就活のエントリーシートのような軽いノリで書くと命取りとなる。加えて、多くの場合、考え方・価値観を仕事経験に絡めて書くことが求められることから、仕事に真摯に取り組んでいることが必要不可欠だ。さらに、推薦状も基本的に上司からのものが求められるので、信頼関係が築けていなければ、そもそも出願することすらできない。


さて、本気で受験を思い立った私だが、完全に典型的な日本の受験生の考え方をしていた為、受験の全体像を把握することの無いまま、TOEFLの勉強に取り掛かった。TOEFLGMAT→エッセイ等と段階を踏んでいけば大丈夫だと思ったのである。ところが、この考え方がやがて自身を苦しめることになる。

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